るろうに剣心 京都大火編
前後篇の前篇。長い原作から実写映画の「エピソード2」として志々雄真実篇を選択したのは妥当なとこだと思います。
前作は敵の黒幕が小悪党の武器商人だったのに対し、今度の敵は原作随一の巨悪だけあって、何もかもがレベルアップ。キャストやセットやロケ地が豪華になってるだけじゃなく、アクションもさらに凄くなってます(前回は眼鏡を忘れて細部までは目が付いていけなかったのですが、先日TVで放映した際、一部観た上での比較)。
藤原竜也が志々雄というのは、軽すぎやしないかと観る前には思っていたのですが、実際に動いて喋ってるのを観ると、「あ、志々雄だ」。決して特殊メイクのお蔭だけではなく、いや、こんなにドスの効いた声も出せたんだなあ、と。
瀬田宗次郎とか巻町操とか翁とか四乃森蒼紫も、巧く実写に変換したものだなと感心しましたが、ただ、原作と違ってこれが初登場となる蒼紫については、少なくとも前篇の段階では単なる場違いな奴に……
前作で原作どおりに蒼紫を出してれば、こんなことにはならなかったわけですが、しかし第一作でキャラクターの紹介もしなきゃならんのに、御庭番衆なんか出したら収拾が付かなくなってたしな(薫の出番も減るし)。
京都を舞台にするなら御庭番衆を、御庭番衆を出すなら蒼紫も外さない、という原作へのこだわりに満ちた姿勢は得難いものではあります。
気になったのは、ところどころ台詞が聞き取りづらかったこと。私が邦画をあまり観ない理由の一つは、台詞が聞き取りづらい作品が少なくないからです(おそらく音響と役者の滑舌の双方の問題)。これは観賞中、かなりのストレスになります。前作は特にそういう問題はなかったと記憶してるだけに、残念です。
前作を観に行ったのは公開からかなり時間が経ってからで、劇場は空いていて、お客は原作かアニメが昔好きだったので来てみました、という感じの人がほとんどでした。そういうお母さんに連れられた、アニメをDVDで観てそうな子供たちも。あと、一人だけいた年配の男性は時代劇ファンだったと思われます(果たしてお気に召されたのでありましょうか)。
しかし今回は、前回ほどではないものの、そこそこ日が経っていたにもかかわらず、夏休み中でレディースデイというせいもあったんでしょうが、若いお嬢さんばかりで大入りでした。原作連載中は生まれてたかどうか、見た感じ原作やアニメの存在すら知らなさそう、という彼女たちが、劇場に貼られた巨大ポスターを盛んに撮影してたのはまあいいとして、エンドクレジット後、「終わってないじゃん」と文句を言っていたのが一人や二人ではなかったのには、少々驚かされましたよ。
というわけで後篇も観に行きますが、一番関心があるのは、原作でも捌き切れていなかった十本刀を、残り二時間かそこら(前篇では宗次郎と張と方治以外は完全にモブ扱いだった)でどう処理するつもりだ、ということだったりします。
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