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るろうに剣心 伝説の最期篇

 二部作の後篇。一応ネタばれ注意。

 原作の志々雄真実は時代背景を巧みに取り込んだキャラクターだけど、展開のほうは雑魚の群れから始まって、だんだん強くなる敵を一人ずつ倒していく、という、よく言えば少年漫画の王道で、そのまんま映画にしたら、ま、あんまおもんなかっただろうな。志々雄のキャラクターを活かしつつ、よく練られた脚本でした。
 お蔭で十本刀のほとんどが、見せ場どころかクローズアップすら碌にないという有様でしたが。比較的出番のあった面子も、致し方ないとはいえ、バックグラウンドについては各々一言ずつ説明されたきり。
 方治くらいは、もう少し性格描写があってもよかったんではないかと。あれじゃ参謀じゃなくて、ただの腰巾着だ。

 剣心、左之助、斎藤、蒼紫の四人がかりのラスボス戦は、「それでも倒せないほどの志々雄の強さ」がちゃんと表現されてるのがすごい。同じようなことをやって、弱いものいじめにしか見えないとか、主人公とその仲間が急に弱くなったようにしか見えないという失敗例が多々あるだけに。
 由美と志々雄の最期は原作どおり。原作を知っている人なら誰でも、あれを原作どおりにするのは当然、変えたら無能だよと思われるかもしれないが、原作(漫画に限らず)付きの映画って、なぜそこを「改悪」する? それじゃ台無しだろうが、と問い詰めたくなるようなのが本当に多いんだよな。
 原作への敬意という点も含めて、よい映画でした。

 前篇で操役の子のアクションに非常に感心させられたので、今回はアクションがなくて残念。
 比古清十郎は……アクションは悪くなかったものの、福山雅治は福山雅治にしか見えないなあ……ミスキャストとか以前の問題だ。
 神戸から出張で東京に来ていたアメリカ人の友人(高校時代にるろ剣のファンだった)と一緒に鑑賞したんだが、日本の芸能人をほとんど知らん彼女は、「比古清十郎かっこいい、原作どおり!」と大喜びでした。ちょっと羨ましかったり。

前篇『京都大火篇』感想

第一作感想

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