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鉄コン筋クリート

 キャラクターは松本大洋の原作かなりそのまんまだが、舞台となる宝町は緻密な極彩色のランドスケープと化しており、明らかに主役はこっち。

 町全体としては「過去にも現在にも存在しない町」なわけだが、通り一本とか建物一軒、オブジェ一個という単位でなら、少し前まで日本のどこかにあったようなものばかりだ。特に大阪あたりに多かった感じだが、今でも田舎に行けば、悪夢のようなセンスの閉鎖された遊園地とか意味不明なオブジェがごろごろしてるからな。  
 そういう「どこかにありそうで、どこにもない」「どこにもないが、どこかにありそう」な町を主役に、補佐するかたちで、よくまとまった脚本、よくうごくキャラクター、いい仕事をしてる声優陣、印象的な音楽と、全体的にたいへん楽しい映画でした。

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