フューリー
機械全般にさして興味はないのだが、なぜか「でかくてごつい機械が動いている映像」は大好きである。それも、舐めるようなカメラワークで撮られてるのが好きだ。
第二次大戦末期、ドイツ国内を侵攻中の戦車小隊のたった一日を描いた映画である。役者はいい仕事をしているが(近年、一作ごとに風格が増していくブラッド・ピットはもちろん、『トランスフォーマー』や『インディ・ジョーンズ』の時はこんなにいい役者になるとは予想だにしなかったシャイア・ブラーフとか)、とにかく私の関心は戦車に尽きるのであった(でかくてごつくて動く機械だから)。
戦車が大量に出てくる映画といえば『バジル大作戦』(1965)だが、これはティーガーⅡの代わりをM47パットン戦車、シャーマンの代わりをM24軽戦車が務めていて、M24は戦時中に開発されたのに対し、パットンは戦後なので、性能どころか外見からして時代が違う(撮影当時はどちらも現役だったんだけど)。どっちかがタイムスリップしてきたみたいなチグハグな戦闘映像でした。
その点、今回はちゃんとティーガー対シャーマンなので(本物のティーガーとシャーマンも撮影に使われていたという)、余計なことを気にせず鑑賞できた。ドイツ降伏直前という設定なので、シャーマンは数台、もともと生産台数の少ないティーガーに至っては一台しか出てこないんだけど、その一台が化け物のように強い。このティーガー対シャーマン小隊の戦闘が、最大の見せ場。ああ、この場面だけもう一回スクリーンで観たい。
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