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「レトロ未来派~21世紀の歯車世代」

 映画レビューのお仕事をしました。

 アトリエサードさんから出ている季刊誌「トーキングヘッズ叢書」の№61では、「レトロ未来派~21世紀の歯車世代」と銘打って、一冊丸ごとスチームパンクを特集しています。企画のひとつ「エッジのきいたスチームパンク・ガイド」で映画紹介記事を五本担当しました。

 

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 担当作品は自分で選ばせていただいたのですが、スチームパンクといっても最近はかなり解釈に幅が出ていて、蒸気機関じゃなくちゃ駄目、ということではなくなっているので、私がスチームパンクだと考えるものを自由に選ばせていただいております。

  • ガイ・リッチー監督 〈シャーロック・ホームズ〉シリーズ(『シャーロック・ホームズ』『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム』)
  • ポール・アンダーソン監督 『三銃士』
  • マーティン・スコセッシ監督 『ヒューゴの不思議な発明』
  • テリー・ギリアム監督 『バロン』
  • ケリー・コンラン監督 『スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロウ』

 一本四百字という制限があったので、いつもブログに思いつくままにだらだら書いている映画感想と違って、スチームパンクというテーマに沿ってかっちりまとめた、中身の濃いものになっています。五作品中四作品がブログに載せたものと被ってますが、記事内容は被ってませんよ(強いて言えば、「ミラ・ジョヴォヴィッチは峰不二子」くらい)。

 まだ実物は見ていませんが、紹介されている内容は大変充実しているので楽しみです。

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『ホビット3』

 副題は原題がthe battle of the five armiesで、「決戦の行方」というのは妥当な邦訳だけど、「ゆきてかえりし物語」がよかったなあ(当初の予定ではそうだったらしい)。でもまあそれだと「ネタバレ」になってまうし、世の中にはネタバレするとその話の価値が下がると信じてる人が大多数だから、仕方ないか。

 前作か前々作でも述べたが、長大な原作を切り詰めている『ロード・オブ・ザ・リング』が、話が進めば進むほど「はしょってる感」が強まるのに対し、短い原作を事実上「水増し」している『ホビット』だが、「水増し感」はほとんどなく(タウリエルとキーリの「ロマンス」は明らかに余計だと思うんだが、しかしこれがないとあまりにもストイックすぎるのも確かだしな)、それは最終章である本作まで維持されている。むしろ最終決戦のシーンはもう少し長くてもよかったくらいだ。トーリンやキーリ以外のドワーフたちや熊人ボルグの見せ場とか。

 しかし気になるのはドワーフの王子様トーリンのことで、一作目はヒーローとして申し分なかったけど(ドワーフなのに美丈夫というのも新鮮だったし)、二作目では猜疑心と利己主義が前面に出てきてしまい、本作ではとうとう財宝に取り憑かれた貪欲な亡者と化す。
 これはトーリン本人の資質ではなく、富というものが持つ魔力あるいは呪いとして描かれ、演出の面でもトーリンの台詞にスマウグに使われたのと同じ効果音を被せたりして、「どれほど立派な人物でも陥りかねない悲劇」としてるんだけど、果たしてどれだけ効果があったんだか。単にトーリン個人が嫌な奴という印象があまりに強く(身内まで見捨てようとする)、敵の首領との壮絶な相討ちによってすら、帳消しにならない観客は多いんじゃなかろうか。
 原作のボリュームなら、「英雄物語」へのアイロニーとして非常に効果的だが、壮大な三部作となった映画でこれはどうなんだろうなあ。

 ところで今回はスケールダブルがスケールダブルだとやたら判りやすかったんだが(『ロード・オブ・ザ・リング』も含めた全六作の中で一番)、なんでだ?

一作目感想

二作目感想

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