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ゴーン・ガール

 結婚5周年の記念日に、妻が失踪する。家の中には争った形跡と血痕。捜索が続くうち、夫に疑惑が向けられる。

 以下、ネタバレ注意。
 サイコ・サスペンスかと思ったら、サイコ・ホラーでした。それはともかく、妻が夫に対し、そこまで強い怒りを抱いた理由が今いちはっきりせん。その主な原因は、回想場面が妻の日記の映像化で、その日記が嘘八百だからである。

 全部が嘘というわけではない。出会ってから結婚までの経過は、嘘は混じっていないだろう(結婚後、夫がいかに駄目になったかを強調するために、結婚前のことがことさらに理想化されている可能性はあるが)。しかしその後は、どこまで「事実」なのか、観客が知る手掛かりはほぼない。
「理想の女」でいることを要求する男の身勝手さを糾弾する妻の独白と、終盤の夫の「お互いを支配しようとして傷つけ合っている」という台詞から、妻の怒りの原因は夫の浮気だけじゃないことがなんとなくは察せられるが、具体的には全然表現されてない。
 これじゃあ、「どんな女も結婚後には抱きかねない怒り」ではなく、単にこの妻がサイコパスだったから、としか見えない。夫役のベン・アフレックの、結婚前のいい男ぶりと「現在」の駄目男ぶりの落差は結構なものではあるけれど。

 という難点はあるものの、一作ごとに良くなるデヴィッド・フィンチャーは、今回も期待を裏切りませんでした。ベン・アフレックの駄目さとか、荒れ果てたミズーリの小都市とか。大人になったねえ。

 ベン・アフレックの木偶の坊ぶりは、地ではなくて役作りでしょう。『アルゴ』の時は木偶の坊には見えなかったから。
 ロザムンド・パイクは『ダイ・アナザー・デイ』と『リバティーン』しか観てないが、え、1979年生まれ? ってことは、『リバティーン』の時は20代半ばで、ボンド・ガールの時は20代前半? 
 ……えらい老けてるっていうか、貫録あるっていうか……今は女優らしく、実年齢より若く見えますが。
 

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