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屍者たちの帝国

 10月3日土曜日、河出書房新社から『日本SFコレクションNOVA+ 屍者たちの帝国』(編者:大森望)が刊行されます。
 前日(2日)の映画『屍者の帝国』公開に合わせ、『屍者の帝国』の世界をいわばシェアワールドとして書き下ろしたアンソロジーになります。
 執筆陣は私のほかに北原尚彦氏、坂永雄一氏、高野史生氏、津原泰水氏、藤井太洋氏、宮部みゆき氏、山田正紀氏の七名。
 藤井さんと私のほかは『伊藤計劃トリビュート』とはがらりと違う顔触れで、伊藤計劃氏の作品の幅広さ、奥行きがよく示されていると思います。  

 私の収録作のタイトルは「神の御名は黙して唱えよ」。「御名」は「みな」、「黙して」は「もだして」と読みます(本の中ではルビが振ってあります)。

71oi19zwl 『屍者たちの帝国』 

 Amazonでは各収録作の簡単な紹介もされていて、「神の御名は黙して唱えよ」は「屍者とイスラム神秘主義」。
 この企画のお話をいただいた時に、真っ先に浮かんだのが「ムスリムは屍者をどのように捉えるのだろうか」という疑問で、ムスリムにもいろんな立場がありますが、そこから選んだのが神秘主義というわけです。

 物語の時代は、『屍者の帝国』本編の約四半世紀前、クリミア戦争の英仏参戦から数ヵ月後の1854年秋、場所はクリミア半島、ではなく遠く離れたウラル山脈南麓の小さな町です。
『屍者の帝国』第一部Ⅸ、ハードカバー版152頁で、クラソートキンは「生者の屍者化実験」がロシア(および各国)でずっと以前から密かに行われてきたと述べていますが、拙作ではそれを背景としています。
 ロシア帝国の試行錯誤の一環にイスラム神秘主義がどう絡んでくるのか、お楽しみに。私もほかの方々の収録作が楽しみにしております。

 あと、頁数は「50枚を目安に、長くなっても短くなってもいい」とのことでしたので、少し長くして70枚弱です。
 ……なーんかな、やっぱり私は枚数を規定してもらえばそのとおりに書けるんだよな。自分で枚数を規定しても、全然守れない(際限なく長くなる)んだが。

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