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屍者の帝国

 映画化第一弾。原作そのままの部分が、たとえばフライデーが髪に花を飾られるといった些細なカットでさえ奇妙に印象に残ったのだが、中でも特筆すべきはクラソートキンの台詞である。

「人間には物語が必要なのです。血沸き、肉躍る物語がね。大体、そんな理屈(*引用者註:屍兵を実際に戦わさずとも机上の計算だけで済むだろう、というバーナビーの意見)は大半の者には理解できない。理解できないものは存在しない。手で触れ、見ることのできる物以外はね。物語はわたしたちの愚かしさから生まれ、痴愚を肯定し続ける」
 
 これは原作(単行本版)96頁からの引用だが、映画の中の台詞もおおむねこのとおりだったはずだ。
 原作をスクリーン上に移し替える上での数多の改変には、一つ一つそれ相応の理由があり、また賛否両論があるだろうが、それらすべてを原作のままのこの台詞が要約している。

 屍者の動きとチャールズ・バベッジをはじめとする解析機関のデザインは、見事の一言に尽きる。特に前者は、アニメだからこそ可能な表現だろう。

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