愛すべき夫妻の秘密
2021年公開。一応ネタバレ注意。
最初期のシットコム(シチュエーション・コメディ)『アイ・ラブ・ルーシー』(1951‐57。続篇は70年代まで続く)の主演で実生活でも夫婦のルシル・ボールとデジ・アーナズの1週間(および過去)を描く。アメリカでは未だにファンが多いので本作もヒットしたが、日本ではかつては同様に人気を博したにもかかわらず、すでに忘れられてるので評価はいま一つっぽい。
でも『アイ・ラブ・ルーシー』全然知らなくてもおもしろかったぞ。まあ物語以上にニコール・キッドマンの演技が巧くてびっくりした。やっぱり美人すぎるんだよな。何やっても不自然になってしまう。まあ『デッド・カーム』(1989)の頃はカーリーヘアがイモ臭いし体型もなんかどっしりしてたが。『誘う女』(1995)はほかに比べれば嵌まり役ではあったが、やっぱり「こんな美人が無名なのはおかしい(明らかに頭が悪すぎて女優は無理だが)」ってなったし。
本作は美人女優の役だから、違和感はまったくない。それと同時に、眉の形変えるだけで全然印象が変わるんだな。もちろん演技力の賜物でもあるだろうけど。後、『聖なる鹿殺し』より4年も後なのに、めっちゃ若く見えるな。肌のきめとかは多少加工してるかもしれんが、体形は自前だろうに。
ちなみに監督のアーロン・ソーキンは脚本家としてのキャリアのほうが長く、ニコール・キッドマンがまだ垢抜けてなかった『冷たい月を抱く女』(92)の脚本も書いている。
ドラマ自体は知らなくても、時代描写もおもしろかった。妊婦なのに飲酒・喫煙とか、時代考証には忠実なのに避けられがちな描写も思い切ってる。
デジを演じるハビエル・バルデムは幾つも観てるけど、『ノーカントリー』(2007)の印象が強すぎて、どうしてもキモさが先立ってしまっていたが、本作だとちゃんとイケメンのラテン男に見える。番組レギュラーの一人を演じるJ・K・シモンズはかなり観てるはずだが、『レディ・キラーズ』(2004)の過敏性腸症候群を患う強盗しか思い出せん。
デジがルシルを赤狩りから守ったのは彼女を愛していたからで、それはルシルも承知していたが、それでも彼の浮気は許せなかった。なぜなら彼女の最大の望みは「幸せな家庭」で、デジもそのことはよく知っていた。知ってはいたが理解していなくて、これだけの危機を救ってあげたんだから許してくれるやろ、くらいに思ってそうである。しかしルシルにとっては、「それはそれ、これはこれ」なのである。
| 固定リンク
「思い出し鑑賞記」カテゴリの記事
- ベイビーガール(2026.10.08)
- ウルフ・オブ・ウォールストリート(2026.09.30)
- TITANE/チタン(2026.09.23)
- マージン・コール(2026.09.15)
- グエムル‐漢江の怪物(2026.08.26)

