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ゴヤの名画と優しい泥棒

 2020年公開。ロジャー・ミッシェル監督の遺作。といっても観るのは本作が初めてなんだけど。名前だけでも知ってるのは『ノッティングヒルの恋人』だけだなあ。ネタバレなし。

 1961年にロンドン・ナショナルギャラリーで起きたゴヤの「ウェリントン公爵の肖像」盗難事件の真相を描く。犯人として名乗り上げ、実刑を受けたケンプトン・バントンの孫クリストファー・バントンが持ち込んだ企画。クリストファーは映画に限らず創作全般はずぶの素人だったが、製作総指揮の1人としてクレジットされている。
 ケンプトン本人はクリストファーが生まれる数ヵ月前の1976年4月に亡くなっている。でも孫が生まれるのを楽しみにしてたんだろうな。

 前半は重苦しい状況と空回りする主人公の痛々しさとで、ちょっとしんどい。後半、逮捕されてからは、ほぼ独演会で素晴らしい。「真相」は、実際に2012年に公開された機密ファイルに記載されていたそうで、なぜ闇に葬られたのかは、まあ当の息子が存命だし、映画で述べられているとおりなんだろう。

 ケンプトン役のジム・ブロードベントは相当観てるはずなんだが、『ナルニア』の教授しか憶えとらん。妻ドロシーはヘレン・ミレンがすっぴんで猫背で演じており、年齢相応のおばあさんにしか見えないので役者ってすごい。

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