アイダよ、何処へ?
2020年公開。ヤスミラ・ジュバニッチ監督は2006年の『サラエボの花』の人か(未見だけど)。
1995年、ボスニア・ヘルツェゴビナのスレブレニツァで起きた大量虐殺事件を描く。セルビア人のラトコ・ムラディッチ(セルビア人主体のスルプスカ共和国指導者)によって、ムスリム住民が数千人殺害された。えーと、私があの内戦について勉強した00年代には、彼らの名称は「モスレム人」が一般的だったけど、その後「ムスリム人」になって、現在では「ボシュニャク人」なのか。正式決定したのは90年代だそうだけど。
重い内容だと予想はしていたが、原題はQuo vadis, Aida?だと知り、さらに重い話であることを覚悟する。十字架で死んだイエスへの問いが、ムスリム女性へと投げ掛けられている。そうして観て、実際重かったが、監督が巧いんだろうな、1時間40分が短く感じられた。
それに一番重かったのは、鑑賞後にググって知った、撮影当時のスレブレニツァ市長が「スレブレニツァの虐殺はなかった」派なので現地で撮影できなかった、って話だ。
戦争前にはキリスト教徒の隣人たちと一緒にミニのドレスで「ヘアデザイン・コンテスト」(90年代の旧共産圏のダサさが微笑ましい)を楽しんでいたようなボシュニャク人女性たちの多くが、戦後は上半身を覆うヒジャブと床に届きそうなスカートになってて、信仰しか頼れるものがなくなってしまったんだなあ……
セルビア語、ボスニア語、クロアチア語はほとんど変わらないってのは知ってたが、ロシア語ともだいぶ近いな。南スラヴ語と東スラヴ語だから結構遠いはずけど、3割は通じるそうだ。
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